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UNMASKED

unmaskedタイトル : UNMASKED/仮面の正体
発売日 : 1980年5月20日(米)
レーベル : Casablanca(米)
録音場所 : The Record Plant Studios(New York)
録音年月 :1980年3月
プロデューサー : Vini Poncia
エンジニア : Jay Messina、Gary Russell
参加ミュージシャン:
Anton Fig – drums
Vini Poncia – backing vocals
Tom Harper – bass guitar on “SHANDI”
Holly Knight – keyboards

1. Is That You? Gerard McMahon
2. Shandi Stanley, Vini Poncia
3. Talk to Me Frehley
4. Naked City Simmons, Poncia, Bob Kulick, Pepe Castro
5. What Makes the World Go ‘Round Stanley, Poncia
6. Tomorrow Stanley, Poncia
7. Two Sides of the Coin Frehley
8. She’s So European Simmons, Poncia
9. Easy As It Seems Stanley, Poncia
10. Torpedo Girl Frehley, Poncia
11. You’re All That I Want Simmons, Poncia

BILLBOARD誌最高位:35位
オーストリアでは3位、ドイツでは4位を記録している。

シングル・カット:
“SHANDI”
“TALK TO ME”
“TOMORROW”

NOTES:
1980年初頭、KISS はニューヨークの Record Plant studios に戻ってきた。アルバム “UNMASKED” の録音のためだ。プロデューサーには前作 “DYNASTY” と同じ Vini Poncia が起用されることとなった。この決定には、ピーターにニュー・アルバムでもドラムを叩いて貰いたいと考えてのものであったが、スタジオにピーターが現れたのはごく初期に1回だけだった。それほどにもピーターのコンディションは前年よりもさらに悪かった。そのためスタジオには再び代役のドラマーとして Anton Fig が呼ばれることとなった。その頃のエースはソロ・アルバムの成功により前にも増してクリエイティブで才能をフルに発揮させていたため、バンドとしてはエースと相性の良いドラマーの Anton Fig にスタジオ入りさせる方がサウンド的により良い物となるという期待もあったという。

unmasked“UNMASKED” は、6月14日の Billboard誌には「KISS 史上もっともラジオ向きのLPである」と紹介されている。そもそも KISS のアルバムがこのように紹介されてしまうこと自体が異常だ。STYX や JOURNEY と並ぶバンドという扱いである。この KISS 史上もっとも「安全」でラジオ向きな作品はそれまでのコアなROCKを愛するファン(特にファースト・アルバムの KISS から ALIVE! までのサウンドに心底惚れ込んで KISS を好きになったファン)の気持ちをより一層 KISS から離れさせることとなったが、一方でポップス寄りのファンをそれに変わるだけ増やすということまでには到らなかった。

“UNMASKED” では、これまで以上にメンバー間の音楽的な結びつきが希薄になっている。ポールは “TOMORROW” や “EASY AS IT SEEMS” では、自分でベースを弾いているし、エースは自身作の曲全てでベースを弾いている。また、ポール作の曲でのリード・ギターは全てポール自身が弾いてもいる。また、”SHANDI” でベースを弾いているのはポールのギター・テクだった Tom Harper だ。
Tom「ある日プロデューサーの Vini Poncia が僕にテープを渡して“明日までに練習して来い、君が明日レコーディングするんだ”って言うんだ。それで、僕がサンプルとしてレコーディングした。後日、そのテープを聞いたジーンが“そのままでいい”って言ったんだよ。だから、僕はゴールド・ディスクを獲ったレコードに参加してるんだ。」
“SHANDI” の録音はポールとドラムの Anton Fig、ベースの Tom Harper、キーボードに Holly Knight という4人で完成されている。純粋なバンドのメンバーはポール1人だけだ。
この Holly Knight という女性は、Bill Aucoin が見出したバンド Spider に在籍をしていたが、同バンドのドラマーが Anton Fig だったという関連でもある。
他に “UNMASKED” のレコーディングに参加したミュージシャンを挙げると、プロデューサーでもある Vini Poncia がキーボード、パーカッション、バック・ボーカルで参加している。

“SHANDI” の出来にポールは満足をしてはいなかった。2001年に発売された KISS の Box set の解説でもポールはこう書いている。
ポール「書いた時はすごく好きだった。その後もメロディとかはさほど変化しなかったけど、曲の性格は大きく変わった。もともと、アコースティックの12弦ギターで書いたんだ。ところが、当時の多くの楽曲がそうであったように、作業を進める中で磨かれすぎて、曲本来の“ハート”が失われてしまった。」

ジーンの曲 “NAKED CITY” のデモはアコースティックで作成されており、Studio 54にて、ポール、Bob Kulick、Peppy Castro、そしてかつて Meat Roaf に在籍していた Karla DeVitoとデモ録音されている。

“IS THAT YOU?” は、Gerald McMahon が1979年に作った曲だ。当時、Gerald McMahon は自身のレコーディングのプロデューサーを探しており、Vini Poncia にもプロモーションのテープが送られてきていた。この曲を気に入った Vini がポールに曲を紹介し、ポールも気に入ったため、KISS としてレコーディングを行うことが決まったのだった。

◆Is that you (original Gerard McMahon demo version)

“TALK TO ME” は、アメリカではシングルカットされなかったが、オーストラリア、オランダ、ドイツではシングルカットされ、TOP40にも入る人気を得た。また、ドイツではリップ・シンクではあるが、”TALK TO ME” と “SHE’S SO EUROPEAN” がスタジオ収録されてテレビ放送されている。エース作の “TALK TO ME” と “TWO SIDES OF THE COIN” の2曲だけが、プロデューサーの Vini が共同作曲者としてクレジットされていない曲である。
※嘘か本当か、”TORPIDO GIRL” は元々は “TOKYO GIRL” というタイトルだったなんていう噂も当時はあった。

◆Talk to me 1980

◆She’s so European 1980

Vini Poncia がプロデュースしたことでオリジナルのデモ曲が持っていたエッジーな部分が削ぎ落とされてしまったという点は疑いはないのだが、デモ曲の多くがアコースティックで作られていたことも、そもそものアルバムの方向性を決めてしまう原因になっていたのかもしれない。
※”YOU’RE ALL THAT I WANT” のデモもアコースティックだった。

◆You’re All That I Want Demo 1980

確かに “UNMASKED” 以前にリリースされた曲にもアコースティックでデモが作られていた曲も多いが、レコーディングを通して曲が完成していく過程で、スタジオ内で多くの意見交換がメンバー間で行われ、よりハードに本来の KISS らしいサウンドに洗練されていったのだが、そのバンドとしての意見交換のプロセスが抜け落ちていたことも要因の一つと言うこができるであろう。

ジーンにしろポールにしろ、これまでの経験で十分にスタジオワークについては学んできていたし、ポールは、1979年にバンド New England のプロデュースを行っているため、Vini のプロデュースに対していくらでも口を挟むことはできたのだが、”UNMASKED” のレコーディングでは全面的に Vini に仕事を任せている。これは、前作 “DYNASTY” の影響によるところが大きい。バンドとして “DYNASTY” と同程度のレコード・セールスを期待するがために、敢えて口を出さないようにしていたと後日語っている。”UNMASKED” も商業的に成功すれば、当時契約更新の時期が近づいていた Casablanca に対するアピールにもなるのだった。しかし、結果的には “DYNASTY” のような成功を手中に収めることにはならなかったのだが…。

ジャケットのイラストを描いたのは Vivtor Stabin で、UNMASKED のタイトルにインスピレーションを得たコミック風となった。

“UNMASKED” がリリースされたのは5月20日である。エースはこう語っている「”UNMASKED” はもっとも理解できないアルバムだよ。」
シングル・カットされた “SHANDI” はプロモーション・ビデオの助けもあり、アメリカでチャートの47位を記録している。

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