![]() by Jendellian
|
|
The Cat Has 9 Lives ― GENE SIMMONS INTERVIEWS PETER CRISS ― "GENE SIMMONS TONGUE"創刊第2号(2002年9月発行)より その3 GENE: OK、Peterについて話してくれ。君は昔からの 君のままかい? PETER: オレがお前と出会った時、オレは 悪ガキどもや暴力だらけの世界から抜け出してきたような、 ホンマモンのブルックリンのチンピラだったよな。オレはどうしたわけか そういうのが好きだったんだよなぁ…っていうのは、オレはかつては アドレナリン駆け巡り状態(興奮状態)だったからね ― 悪ガキ 集団に入ったり、ケンカしたり、自分が"(集団等)なにかの一部"である時に 起こることすべてやったよ。"なにかのメンバー"であるっていうこと は、オレにとっていつも重要な意味を持ってたんだ。バンドについても そう思ってた。(違うのは)ただ、バンドのメンバーであることは悪ガキ 集団のメンバーであることよりもずっと安全だってことだけでね。 オレは毎日生きていくのに、自分の身は自分で守らなくちゃこっぴどく 殴りつけられちまうようなホントに物騒な地域で育った荒っぽいイタリア小僧 だったんだ。だから、派手な暴力沙汰の連続だったんで、オレがお前に 出会った時、オレは「ガンつけてんのかよ、ぶん殴ってやるからな!」ってな カンジだったのさ。クレージーだったな。オレは銃を持ち歩いてた。 オレは若い頃はワイルドな男だったんだ、攻撃されると思ってたからね。 いつも誰かにやられるんじゃないかと思ってたんだ、常に背後に注意しながら 育ったんだもの。オレはその暴力性をバンドに持ち込んじまったんだな… なおらなかったんだよ。 GENE: 以前話してくれた、君が神学校にいたときの話は どうだっけ? PETER: オレはローマ・カトリック(の信者)で、 そうであることを誇りに思ってるけど、オレの受けた学校教育 はお前のそれとは相当違うぜ。なにせあの頃は悲惨だったからね。 トイレにいかなくちゃって時にシスター(注:カトリックの学校 なので修道女さんがいますよね?)のご機嫌がおもわしくないと 行かせてもらえなかったんだ。で、 「シスター、ホントにもう持たないんです。」って言うだろ。 するとシスターは「そうね、終業ベルが鳴ったら行ってもいい ですよ。」なんて言ったりしたわけさ。だからオレは学校で スボンに小便を漏らしちまって、笑われたり冷やかされたり したもんだよ。授業中に大便まで漏らしたことがあるぜ、だってオレは トイレに行きたいのに行かせてくれないんだもの。クソが (体に)くっついちまうと思うぜ。オレは物笑いになって 暗いクローゼットに閉じ込められ、ドアを閉められちまった。 もし何かをきちんと読めなかったり、何かをちゃんとしなかった とすると、脅されて、コートを入れておくクローゼットに 放り込まれてその後午前中ずっとそこに閉じ込められたままだよ、 2時間くらいだったろうな。10歳の子供にとってはタイヘンな ことだぜ、暗いクローゼットの中に座ってるのはな。オレは ちっちゃいおもちゃを学校に持っていくのが大好きだったんだけど、 おもちゃはとりあげられ、シスターの机の隣にある屑カゴに 座らされたり、手を出しなさいって言われてものさしで指の節 を叩かれたりしたんだ。そんなカンジで学校生活を終えたら、ちょっとばかり クレージーにならざるをえないぜ。それで、オレがお前に 出会った時にはまだホントにこういうカンジのオレだったんだ。 オレはそういうことを医者には決して話したくなかったし、精神科医 にも一度も行ったことがなかった。そんなものは'70年代には 存在しなかったしね。「オレのどこが悪いのかちょっと 診てもらいに行ってこよう」なんてのはなかったからさ。 誰もそんな風には考えなかったよ。オレは単に他のことが 治るのと同じようにこういうのも治るもんだと思ってた。 もっと悪くなったんだけどね。オレは有名になればなるほど ますますクレージーになって、ますます何をやっても許される んだって思うようになってしまったようだ。「いまやオレは 金持ちで、有名で、有力者で、ロックスターさ。だからこの 部屋中をめちゃくちゃに撃ちまくってもいいんだ。たいしたこと じゃないぜ。もしお前のテレビを持ち出して窓から投げ捨てたい と思ったらそうしてやるさ、なぜってオレは今そういう 気分だからさ。」ってなもんだ。 GENE: テレビを撃ち抜いたことは? PETER: そうさな、お前のだよな。まぁ、お前のは たくさんやったうちのひとつにすぎないけど。オレは 最初の妻に隠れて別の女と会ってたんで、お前の家に いたんだよな。お前に電話したら、そこを使っていいって いうからさ。だから、オレ、お前んとこにいたんだよ。 お前はシェール(Cher)と一緒に暮らしてた。で、 でっかいプロジェクション(投影型)テレビを持ってたんだ。 そしてオレは当時38口径(ピストル)を持ち歩いてて、 そのスクリーンで映画を見てたんだけど、それにはウォーレン・ベイティ( Warren Beatty)が出てた。当時オレと一緒にいて、後にオレの 二番目のワイフになったデブラ(Debra)がモゴモゴっと 「あら、アタシこのヒトと寝たのよねぇ」なんて言ったもんだから、 オレは「へぇ、そうかよ」って言って…あとはわーわーわー!(怒鳴りあい) ってなもんさ。それでオレはテレビを撃った。 デカい穴があいたっけ。お前、その話をさんざん語ってくれてるけど、 オレが弁償したってことは話したためしがないよな。まぁいいや、 あれは悪かったってことはわかってる、でもあの当時 オレはホントにロックスターってのはそういうことをしてもいいんだ って思ってたんだ…テレビを窓から投げ捨てるとか、バスタブに いっぺんにたくさんの女のコを入れるとか、ビールをたくさん飲むとか 薬でハイになって、ホテルに戻るとかさ。若い時ってのは 次の日起きたらすっかり元どおりになるもんさ。しばらくして、 そういうことはオレに悪い結果をもたらしたよ、誰だって そうなるだろうさ、物事をアタマで考えるんじゃなくて 手が動くままにやるような精神構造じゃね。オレはあらゆることを 切り抜けなくちゃならなかったと思う。オレはいってみればどん底の 状態にならなくちゃならなかったのさ、絶頂ってのはどういうもの なのかをわかるためにね。 GENE: そういうこと(悪い結果)はいつ起こったんだい? PETER: 2回目の結婚の後かな。 GENE: で、どん底ってのはどういうものだと考える? PETER: オレは人はみな空の星だと思っていて、どん底って いうのは自分の星が落っこっちまった時だと考えてる。オレは 与えられたものすべてに逆らってたからね。感謝してなかったんだ。 正反対のことをしてた。オレは貪欲で邪悪で卑劣で、物事すべて 間違ってやってたんだ。そうだったから、神様がそういうのを やめさせようと、オレの星をとりあげてその明かりを消し、 自分が到達したいと思ってるところに到達しようとやってきたことを すべてとりあげちまったんだよ。それが'90年とか'91年くらいのこと だったんじゃないかな。悪夢だったぜ。気がつけば妻も子供もいない。母親が 亡くなり、父親も亡くなった。オレはベニス(注:カリフォルニア)の ちっぽけなビーチハウスに住んでたんだ。もはや大金持ちなんかじゃ なかった。最悪の状態だったよ。オレはスターじゃなかったんだ。 GENE: バンドでは演ってたの? PETER: 自分のバンド、"CRISS"と演ってたよ。結局 Aceのバンドとオレのバンドが組んでツアーに出たけどね。 悪夢だったぜ。オレは自分を撃ち殺したいくらいだったよ。 「オレたち、いまさらまたバーで何やってんだよ?これじゃあ 振り出しに戻る、じゃないか。なんでったってここに逆戻りしちまった んだ?」ってな。だが、オレはどうしたらそうなるか、どうして そうなったかわかってた。そして神様にもう一度…もう一度だけ チャンスをもらえませんか、と頼んだんだ。「もしオレの星を 元の場所に戻してくれたら、もう二度とつまらない真似は しません。」って。そして今のオレがいて、オレはもうつまらん 真似はしないさ。なぜって負け組になるっていうのがどういうものか わかってるからね。勝つことの何たるかがわかるためには 負けてみなくちゃならないのさ。
=つづく=
|
KISS MILLENNIUM TOPへ![]() |